京都御苑御霊巡記

平成12年12月2日 


第7回世界鬼学会総会 

12/02
06:30
駅の改札をくぐると、キンコーンキンコーン。 通れない。 駅員さんに新幹線のキップを提示すると、日付が違うと指摘された。 
12月20日
前々日買ったのに予約日が間違えてる! みどりの窓口でひと悶着。 もう当日の新幹線の指定が取れないとの事。 仕方なく自由席で京都へ向かうが、だいぶ時間を消耗してしまった。
京都からの特急に間に合うかしら?
07:31




10:23



10:25
予定より11分も遅れて新幹線に乗り込む。 自由席はどうも落ち着かなくて。 年より来たら席を譲らなきゃならんのだろうか?
京都着。 到着時間が遅れている! 乗り継ぎまであと2分。

間に合わなかった。 電車は既に行ってしまっていた。 次の電車まであと56分間。 どうしよう・・・
11:25






13:12

福知山乗り換えの特急電車に乗車。 指定券を持っていたのだが、その電車は既にいない。 同券で自由席に座す。 何のために指定券を取ったのかなぁ。

大江駅到着。 計画より1時間も遅れた。 あれ? 三人しか下車しない?
総会は今日ではなかったのか?

 
駅を出ると、主催者の方がプラカード持って立っていた。 場所は駅の隣のホールだと聞いていたので、まだ時間があった。
駅売店でお土産を物色。 
!!!
”おにのふんどし” ”おにのパンツ”発見。 もちろん、GET!
13:30

会場へ入場。 受付を済ますと、巨大な絵画に出会う。
どこかで見たような・・・ 
そうだ、”百鬼夜行絵巻”だ!
長尺の”百鬼夜行絵巻”をタタミ2畳分のキャンバスに凝縮して描かれている。 
背景にある朱の太陽が冴えて目に痛い。 そんな作品が会場内に八点ほどある。 誰が描いたのだろう?






13:30









14:00










15:30





16:30

第七回世界鬼学会総会
プログラム


総会

 あいさつ
 議案1 活動報告と会計報告
 議案2 活動予定
 議案3 役員改選


講演

 「近代文学の中の鬼」 宮本先生

 「鬼を語る」 トーク:田澤先生
         聞き手:森会長


鬼芸能

 狂言「伯母ヶ酒」 大和座


終了

以降、懇親会

14:00







15:00







15:50
 

宮本先生の講義。 北村透谷・吉野臥城・与謝野鉄幹らの近代詩歌から、”鬼”もしくはその概念を抜き出して解説された。 が、この時代のサンプルはあまりないので、物足りない講義になってしまった。
宮本先生の話が長引いて、予定より遅れて始まったのが、先程の絵画の作者・田澤画伯をお迎えしてのトークショー。 ピントのズレた田澤先生の話を必死に元に戻そうとする森会長。
やはり土佐光信の画を元に描いたものだそうだ。 ひとつほしいなぁ。
遅れに遅れて始まったのが、狂言。
最初の狂言の説明が非常に勉強になった。 今まで能とか狂言とかいったこの手のものを避けていたので、実態が判らなかったのだ。
狂言見終わって、痛く感動した。

16:45









16:56

予定よりも15分遅く閉会。
このあとの特急へ乗るべく、閉会の挨拶も聞かずに出て行く人たちが、結構いた。 ちょっと失礼に思う。
まもなく電車が来るが、駅の売店にて会社と”私”へのお土産を購入。 地酒は”鬼神楽”。 鬼面の陶器に入っている。
特急が来たので、乗車。 自由席だ。

清酒
鬼神楽

能書きに
「飲んで健康増進・夫婦和合
容器の鬼面は除災・招福・魔除けの鬼」

17:15  本日の宿のある福知山到着。 ホテルでチェックインを済ませて自室へ。
ふるい! 汚くはないが築年数が経っている。 でもココしか予約できなかったし・・・まぁ仕方が無い。 とりあえず腹ごしらえを。

駅周辺を30分程廻っただろうか、食指をそそるお店がない。 適当なラーメン屋で食べたが美味くなかった。




22:00

テレビは点けていたが、地方の番組には馴染みが無いので見ていてつまらなかった。
明日の行動を検討しながら、本日の業務を終了とする。






     巌        君        
  苔  と     千  が        
  の  な  さ  代  代     国  
  む  り  ざ  に  は        
  す  て  れ  八        歌  
  ま     石  千           
  で     の  代           
           に           

      

京都御苑周辺

6:30





7:00
朝、テレビのニュースを見ていると、昨日の鬼学会総会の模様が出ていた。 観客席に私がいないかと見ていたが、いなかった。 後で地元の新聞を買っておこう。(
チェックアウトを済ませて福知山駅へ。 7:19発京都行き特急に乗り込む。
京都新聞
12/3付
 

写真は
宮本先生

9:40


10:10



二条駅から地下鉄に乗り継いで鞍馬口駅下車。 まずは上御霊神社。
オニの乱? いや、「”応仁の乱”勃発の地」と看板が出ている。
早良親王・吉備真備・菅原道真ら怨霊とされた八柱を祭る。 この祟り神を鎮めるため、863年に神泉苑で御霊会が行なわれた。 その創祀である。
上御霊神社 本殿 

上御霊神社
砂山

 

昨日の狂言鑑賞で賢くなった私は、正方形の舞台( )をみて、「おぉ!これがあの能舞台」と言ってしまった。
境内を歩いていたら、妙なものが目に入った。 
)砂(灰?)で出来たお山。 神事のひとつなのだろが、私はしらない。 誰か教えて。

 

中国宋の時代、水を張った甕に落ちた子供を救うため、大石で甕を割った司馬何某の故事をあらわした像。
金太郎かと思った。

お守りを戴こうと思ったが、受付は不在であった。 遠くで詔が聞こえる。 朝のお勤めの最中であるようだ。
GET出来ず、残念。

上御霊神社
清明心の像

上御霊神社
福寿稲荷

 

浅草・姥ヶ池にもあったが、ここにも福寿稲荷が祭られている。
七福神に福禄寿という神様があるが、「西遊記」には”福””禄””寿”と三星神に分けて登場する。
もっとも、ココのお稲荷さんはどうなのかは知らないが。
そういえば以前お得意さんに福寿○○というのがあったなぁ。

10:25 相国寺。 悪人が闇討ちしようというとき使われる? 時代劇で見かける場所である。 
実は境内に入り込むまでグルリ一周してしまったというマヌケさ。
相国寺1

 

写真のように、ここの鬼瓦は実に立派なものであった。
本日はなにか行事があるようで、近所の人総出で草刈していたり、大型バスが入って来たり。 邪魔しちゃ悪いので、退散。 (鬼瓦に恐れをなして逃げたのではない。)

相国寺2
鬼瓦 
京都御苑
蛤御門
10:30

京都御苑。 平安京の中心部。
清涼殿などのある御所へは通常は入れないので、今回は外回りのみ。
公園各所に御門があるので、ぐるりと御門めぐりを始める。 
今出川御門→乾御門→中立売御門→蛤御門→etc→etc→etc
とにかく広い公園である。

建礼門A
正面



建礼門@
正門


建礼門B



散歩中
御所の正門、かの有名な建礼門@。
門から続く通りは目測で600m。 広い。 長い。
私が門から遠ざかりながらB撮影していると、近くにいた外人さんがまねしてカメラを取り出した。 そこをすかさず後ろからパチリC。
京都は外人さんが多い。
建礼門C
”外人”



建礼門D
一番遠い所から


10:40
ちょっと寄り道。 
蛤御門から近くの護王神社は、和気清麻呂・広虫を祭る。 元は高雄・神護寺にあったらしい。
和気清麻呂は藤原仲麻呂の乱・弓削道鏡事件・平安京遷都などに功のあった人物。
護王神社

護王神社
清麻呂画

  ←この人、見たことな〜い?
昔の壱円札(拾円札?)の人物ではなかったかな?
護王神社狛猪

  宇佐八幡へお礼参りに行ったとき、三百頭ものイノシシが御輿の前後を守りながら、道中付き従ったという。
また、お参りしたことで脚萎が治ったという。 
この神社のお守り、イノシシ柄のきんちゃく。 効能として足専用・腰専用のお守りもある。
腰用もひとつ買っておこう。
  ここにもあった、さざれ石。
「石灰石が長い年月で雨水に溶解し、時には乳液状となって大石小石を集結させて大きな巌となった」との説明文がある。
大変おめでたい物らしい。
確か、大江・元伊勢神宮でも見かけたなぁ。
護王神社
さざれ石

10:50  再び京都御苑へ。
九条家邸内の巌島神社は、市杵島姫命・端津姫命・田心姫命・祇園女御を祭る。 もとは平清盛が兵庫県に建てた神社であるらしい。
写真のように、真中がもりあがった鳥居も珍しい。 いろいろいわく付だ。
御苑内には、動物愛護団体の手によるものか、いくつか看板が見られる。
巌島神社
破風形鳥居 

御苑内
”魚釣り禁止”

御苑内
”ねこをすてないで”

11:00 御苑を出て、下御霊神社へ向かう。
祭神は、伊予親王・藤原広嗣・橘逸勢ら上御霊神社と同じメンバー。
境内のつくりは”上”と同じだが、なんとなく”上”よりさびれている。
こちらの受付にも人がいない。 またまたお守りGET出来ず。 無念。
御霊神社のお祭りは五月二十日なので、次回はその日に来たいものだ。
下御霊神社
本殿

下御霊神社
砂山

  ここにもやはり、”砂の山”があった。 こちらのは、砂というより灰である。
近所の人だろうか、井戸でポリタンクに水を汲んでいるのが見える。
順番待ちをしているのである。

11:15
吉田神社へ行くべく、移動。
途中、漬物屋さんを見つける。 母よりお土産に千枚漬を頼まれていた。
このお店ではその場で作っている。
神社への道程を聞くと、
「今日、あそこでなにかあるの?」
私で二人目だそうだ。
11:35  外人さんが辻でキョロキョロしている。 迷ったのであろう。 その恥態を横目で見つつ、ふと気付いた。 
いつのまにか逆の方向を歩ってる。
また道に迷ったようだ。
吉田神社
鳥居 

11:50  ようやく吉田山の入り口に到着。
すでに歩き疲れているのに、今度は山登り。
山道(参道)を歩いていると、外人さんが外国語で喚きながら上ってくる。 ハングルとイングリッシュ。
中国語なら解かるのに。
ここの神社へお参りすれば、全国の神社をお参りしたのと同じご利益がある、とガイドブックにある。
 

平安京の東方を守護する吉田神社。
建御賀豆知命・伊波比主命・天之子八根命・比売命を祭る、春日大社の分社である。
吉田神道の原理に基づいて建築された斎場所大元宮は、重要文化財に指定されている。
節分の疫神祭・追儺式は有名らしいので、見てみたいものだ。

吉田神社
斎場所大元宮

吉田神社
本殿







12:55



15:30
 
京都大学を通ると、また外人さんの大量発生。 ココでイベントがあったのだ。
「日本語検定試験」
なるほど。
京都駅からの帰り。 初めてのぞみ”500系”に乗った。 さすが値段が高いだけある。 速いし静か。
東京に到着。
おつかれさまでした。

更新日2000/12/25 クリスマス